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ただ陳列するだけでは届かなかった価値—調剤薬局で見えた説明型商品の勝ちパターン

  • 5 日前
  • 読了時間: 8分

病院・介護施設向けに展開してきた介護食「エネプリンプロテインプラス」を、在宅市場へと広げる挑戦に取り組んでいる日清オイリオグループ株式会社様。

今回そのパートナーとして選ばれたのが、調剤薬局商品プロモーションを展開するLXIO(リクシオ)でした。

同社はドラッグストア事業を展開するトモズの調剤薬局を舞台に、 エネプリンプロテインプラスの設置・販売を通じた在宅市場への展開に挑みました。


“陳列だけでは価値を伝えきれなかった商品が、なぜ調剤薬局で成果を生んだのか”。本プロジェクトの背景から、実施した施策、そして得られた勝ち筋まで、お話を伺いました。



日清オイリオグループ株式会社(以下、日清オイリオ)


食品事業本部 ウェルネス食品事業戦略部 

次長 新島 英実氏

ウェルネス食品課長 守屋 ゆみ子氏


東京支店 ウェルネス課  

F.M.氏



Ⅰ. 課題


ターゲットが限定的な商品ゆえの、プロモーションの難しさ


——まず、今回の取り組み以前に抱えられていた課題を教えてください。



新島氏:

「エネプリンプロテインプラスは『介護食』に分類される商品です。日常的に多くの方が購入する一般食品とは異なり、食事に配慮が必要な方など、特定の対象者向けの商品なんですね。そのため、幅広く宣伝をしても、必要とされる方の数自体は限られています。だからこそ、どうアプローチするべきか、ずっと悩んでいました。」


介護食は「必要とする人」が明確な一方で、一般食品のように幅広い人に購入される商品ではありません。加えて同社では、これまで主に病院・介護施設で使われてきた商品を、在宅患者や家族へどう届けるかが大きなテーマになっていました。


さらに、“パッケージだけでは魅力や価値が伝わらない”という構造的な難しさもあったといいます。


守屋氏: 

「パッケージに書いてあることだけだと、良さが伝わってないなっていう感じがあって。『小さいのに効率よく栄養とエネルギーを摂取できること』や『一般的な油より素早くエネルギーになる中鎖脂肪酸が入っていること』など、伝えたい価値がきちんと届いていなかったんです。エネプリンプロテインプラスの価値を伝えながら販促する方法が必要だなと思っていました。」





Ⅱ. 採用理由


なぜ調剤薬局だったのか——“価値が伝わる場”としての決定的な違い



新島氏:

「商品の魅力や価値を、きちんと伝えられる環境があることが一番大きかったですね。調剤薬局という信頼できる場で紹介されることで、患者さんも安心して商品を購入できる。そこが大きなポイントだと思います。」


守屋氏:

「調剤薬局に来るということは、本人やご家族の身体のことを意識しているタイミング。日常の買い物とは違い、健康への意識が高まっている場で提案できるのは大きいと感じました。」


F.M.氏:

「病院にかかっている患者さんにとって、医療に関わる場所で得られる情報は信頼性が高いと感じられると思います。 調剤薬局はそうした信頼できる場ですし、商品の情報についても安心して受け取ってもらえるのではないかと感じました。 」       



LXIOを採用した理由——現場実装と「なぜ売れたか」まで見える検証設計


——その上で、LXIOをパートナーとして選ばれた理由を教えてください。


新島氏:

「トモズさんとLXIOさんが同じ住友商事グループに属していることで、施策設計から店頭での施策実施まで一貫したコミュニケーションが実現できると感じました。加えて、施策効果の分析を行い、PDCAを回しながら改善していけるパートナーだと思えたことも大きかったです。」


守屋氏:

「購入理由や利用シーンを購入者にアンケートする、声掛けをした薬剤師の方に手応えやどんな顧客が購入したかをヒアリングするといった提案もいただきました。売上の数字を見るだけでなく、『なぜこの店舗で売れているのか』を、定量・定性で多角的に分析できる点が良かったと感じています。」



Ⅲ.検証方法


店内動線に合わせて設計する調剤薬局商品プロモーション施策



今回の取り組みでは、調剤薬局の店内動線に合わせて、複数の施策を組み合わせたプロモーションを実施しました。

主な施策は以下の通りです。

  • サイネージ広告放映

  • 商品陳列(受付や待合室に什器を設置)

  • 薬剤師による声掛け

  • チラシ配布


来局者の「処方せん受付 → 待ち時間 → 薬剤師からの服薬指導」という店内動線に合わせて情報を届けることで、商品の認知から理解、購買までを自然につなぐ設計を行いました。


なかでも今回、重要な起点となったのがサイネージ広告です。

調剤薬局では、来局者が受付後に一定時間待機する導線があり、その時間帯に繰り返し情報接触を生み出せるのがサイネージ広告の強みです。単なる売場露出ではなく、「どんな悩みを持った人に向いている商品か」を待ち時間の中で自然に伝えられるメリットがあります。また、こうした事前の情報接触があることで、服薬指導時の薬剤師からの声掛けにもつながりやすくなります。


守屋氏:

「今後他の調剤薬局チェーンに広げていくことを考えると、再現性がある施策は重要でした。サイネージ広告は横展開しやすい点も大きかったですね。」


サイネージ広告はどの店舗でも一定の水準で情報を届けやすく、横展開しやすい点も特徴です。今後チェーン展開を見据えるうえで、こうした“再現しやすい接点”を持てたことは、本施策の大きな意味の一つでした。



Ⅳ.成果


成果は「想定以上」。継続購入と“新しい提案の方向性”まで生まれた



——結果をご覧になって、率直にどう受け止められましたか?


新島氏:

「結果から見ると、店舗の売上という点では特に良い成果だったと思います。商品についてきちんと価値を伝えれば、患者さんに選んでいただけることが実証できたなと。」


F.M.氏:

「ここまでの数字が出たのは初めてでした。サイネージ広告の効果も実感できましたし、薬剤師の方の声掛けが後押しとなって売上にしっかり繋がることも分かりました。」                               

今回の成果で特に大きかったのは、サイネージ広告を起点に商品理解の土台を作ることができたことです。従来は、棚に置いてあるだけでは見過ごされがちだった商品が、待ち時間中のサイネージ広告接触によって「自分にとって必要な商品かもしれない」と認識されやすくなりました。その上で、薬剤師の声掛けやチラシなどの施策が機能し、購買につながる流れが生まれました。


また、特に印象的だったのは、“一過性で終わらなかった”ことです。


新島氏:

「継続購入にきちんと繋がった点ですね。調剤薬局は定期的に患者さんが訪れる場所のため、リピートにつながりやすいという仮説も検証できました。」


さらに、想定していなかった新しいニーズの可能性も見えてきました。


F.M.氏:

「今までは介護食として販売していましたが、小児科の患者さんが多い店舗で、“風邪の時の栄養補給”として購入につながったケースがありました。今回の取り組みで従来とは異なる、新しいニーズが発見できました。」


介護食=高齢者、という固定観念を超え、

“体調不良時の栄養補給”など別用途の可能性が見えたことも、大きな収穫でした。

そしてもう一つ、ビジネスインパクトとして大きかったのが“勝ちパターンの可視化”です。


新島氏:

「『この層にはこの提案をすると、これくらい売れる』という傾向をある程度実証できたかなと思います。そこを深掘りして、他の調剤薬局にも展開していきたいです。」


守屋氏:

「同じトモズさんの店舗でも、売れる店舗と売れない店舗がはっきり分かれました。条件を深掘りして、どこに重点的に取り組むべきかを明確にすれば、より効率よく商品を届けられると思いました。」


F.M.氏:

「単に多くの店舗に配荷すればいいというものではなく、狙い撃ちで『ここは売れる』という店舗への配荷を、調剤薬局・ドラッグストア側に提案できるようになったのかなと。」



Ⅵ.今後の展望・横展開


同様の課題を持つ企業へ——「ターゲットが絞られた商品」ほど相性がいい



守屋氏:

「LXIOさんは、様々な角度からアプローチしてくださる点がとても良いなと思っています。また、健康課題との関連性があり、ある程度ターゲットが絞られている商品であれば、調剤薬局というチャネルは非常に相性が良いのではないかと思います。」


新島氏:

「調剤薬局に特化した形でプロモーションの提案をいただく機会はとても貴重だと思いますね。」


F.M.氏:

「ドラッグストアとは異なる形で、商品価値を伝えられるのが調剤薬局の強みだと感じました。価格訴求とは違うアプローチで、商品の必要性や特長を理解した上で選んでいただける点は、営業の立場から見ても、非常に魅力的なポイントでした。」


ここでも鍵となるのは、単に販売チャネルとしての調剤薬局ではなく、必要な情報を信頼性高く、適切なタイミングで届けられる場であることです。

サイネージ広告は、その価値を再現性高く実装できる施策の一つです。

来局者が待ち時間に自然に情報へ接触できるため、安定した情報接点をつくりやすく、今後ほかの商品カテゴリーへ展開していくうえでも有効な打ち手になり得ます。



今後の展望——在宅医療の拡大を見据えて、勝ちパターンを横展開へ


——最後に、今後の展望を教えてください。


新島氏:

「勝ちパターンを広げていくことですね。医療がこれから病院・介護施設中心から在宅にどんどん移っていく中で、調剤薬局の地域医療における役割はますます大きくなっていくはずです。その流れの中で、当社の商品がしっかりと価値を発揮できるよう、戦略的に取り組んでいきたいと思っています。」


調剤薬局という、健康ニーズが顕在化する場で、必要な人に商品を届ける。

その仕組みを設計し、実行し、検証まで回すことで、確かな成果につながりました。

なかでも、来局者との最初の接点として機能したサイネージ広告は、認知から理解、購買へとつなぐ導線づくりにおいて重要な役割を果たしました。

見えてきた“勝ちパターン”をさらに展開し、より多くの現場へ広げていく取り組みが、これからも続いていきます。



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