機能性表示食品PLUSカルピス®の「健康をサポートする機能」を伝えることで見えたトライアルの勝ち筋
「PLUSカルピス®」は、長年親しまれてきた「カルピス®」ブランドから展開され、健康な人の免疫機能の維持に役立つことが報告されているL-92乳酸菌や、睡眠の質(眠りの深さ)を高める機能、腸内環境を整える機能が報告されているガセリ菌CP2305株を配合した“健康をサポートする機能”を持つ機能性表示食品シリーズです。
商品をより多くの生活者に届けていくうえで、アサヒ飲料株式会社様が課題として感じていたのが、商品の「健康をサポートする機能」をどのように知ってもらい、トライアルにつなげるかということでした。
今回、その検証のパートナーとして選ばれたのがLXIOです。
LXIOでは、「ドラッグストア事業を展開する」株式会社トモズ(以下:トモズ)の調剤薬局を舞台に、PLUSカルピス®の店頭販売とサイネージ広告を展開。さらにPOS・ID-POS分析や顧客カルテなどを組み合わせ、「売れたか」だけではなく、「誰が、どのように買ったのか」まで検証しました。
その結果見えてきたのは、サイネージ広告を通じて商品の機能価値を伝えることによるトライアル獲得の可能性。そして、これまで想定していなかったシニア層をはじめとする新しい購入者の姿でした。
取り組みの背景から、今回の施策で得られた発見、そして今後の可能性について、お話を伺いました。

アサヒ飲料株式会社(以下、アサヒ飲料)
首都圏本部 営業五部
部長 藤城 亮佑氏(写真左)
佐藤 ちひろ氏(写真右)
Ⅰ. 課題
育成段階の商品だからこそ、「健康をサポートする機能」をどう知ってもらうかが課題だった
——今回の取り組み以前に、PLUSカルピス®の販促やマーケティングにはどのような課題を感じていましたか。
佐藤氏:
「PLUSカルピス®のようなヘルスケア商品では、まず商品の機能価値を認知してもらうことが重要だと考えていました。トライアルを増やしていくためにも、商品の存在だけでなく、どういった健康に関する機能を持った商品なのかをきちんと知っていただく必要があります。」
藤城氏:
「PLUSカルピス®は、トモズ様においてまだ販売規模を大きくしていく前の、顧客を増やしていく段階の商品です。そのため、単純に販売数を増やすこと以上に、どのような人に、どのような伝え方をすれば購入につながるのかを把握し、次の成長につながるような示唆を得られることを期待していました。」
Ⅱ. 採用理由
健康に課題を抱える人が訪れる調剤薬局で、商品の機能価値を訴求
——今回、検証の場として調剤薬局を選んだ理由を教えてください。

藤城氏:
「サイネージ広告では動画でPLUSカルピス®の機能価値を伝えることに加えて、薬剤師の方から説明してもらえる。そういった環境が購買の促進につながるのではないかと考えていました。」
佐藤氏:
「調剤薬局には、病気や体調不良など何らかの健康課題を抱えている方が来局されます。そうした方に対してであれば、PLUSカルピス®のL-92乳酸菌やガセリ菌CP2305が持つ健康をサポートする機能について、より魅力を感じていただける可能性があるのではないかと考えていました。」
調剤薬局は、健康上の課題を抱える生活者に商品の機能価値を伝えられることに加え、薬を待つ時間を活用して、サイネージ広告で商品の特徴を丁寧に伝えられる点も特徴です。
販売数だけではなく、「誰が買ったのか」まで分かるLXIO
——その中で、LXIOの提案を採用した理由はどのようなところにありましたか。
佐藤氏:
「施策期間中に、どのような属性の方が購入して、普段どのような買い物をされているのかまで分かることで、次の施策につながる示唆を得られることに価値を感じました。」
LXIOの提案では、単に調剤薬局に商品を置き、サイネージ広告を配信するだけではありません。
実際の販売データであるPOSに加えて、ID-POSを活用することで、購入した人の属性や過去の購買行動、リピート状況まで分析することができます。
さらに、「広告を出した結果、商品が売れたか」だけではなく、サイネージ広告の視聴状況や購入者アンケートも組み合わせることで、「どのような人が、何をきっかけに購入したのか」「次にどのような施策につなげられるのか」まで検証できることが、今回LXIOを採用した大きな理由となりました。
Ⅲ.検証方法
サイネージ広告放映前後を比較し、認知・理解・購買への影響を検証
今回の検証は、トモズで「PLUSカルピス® 免疫サポート」と「PLUSカルピス® 睡眠・腸活ケア」の2商品を対象に実施しました。
施策期間におけるサイネージ広告の効果検証は、視聴データ、購入者アンケート、POS・ID-POSの3つのデータを組み合わせて実施しました。
単なる販売結果にとどまらず、「どのような人が、なぜ購入に至ったのか」まで一気通貫で分析しています。
Ⅳ.成果
サイネージ広告放映後に販売数が伸長。「健康に関する機能価値を伝える」ことの手応え
——今回の結果で、印象的だったことを教えてください。
佐藤氏:
「サイネージ広告によって商品の機能認知が進んだ可能性があるという印象を持ちました。消費者の立場では、店頭で商品を見るだけでは、健康に関する機能価値まで理解することは難しいと思います。一方で、調剤薬局には待ち時間があります。その時間に動画を見ていただくことで、商品の機能性への理解が一定程度進んだと推察しています。」
サイネージ広告なしの期間と比較すると、サイネージ広告放映中の販売数は約1.5倍に増加しました。
店頭で商品の機能価値を伝えることが、購買機会の創出を後押しした可能性が見えてきました。
藤城氏:
「飲料カテゴリーとしては調剤薬局での拡販は新しいチャレンジであり、販売の伸びしろを慎重に見ていました。ただ、『カルピス®』という名前でまず目を引き、サイネージ広告を通じてPLUSカルピス®の価値を伝えたことで、購買につながったのではないかと思っています。」
ID-POSで分かった、想像以上に多様な顧客像
——購入者の過去の購買行動まで分析した結果について、どのように感じましたか。
佐藤氏:
「顧客カルテでここまでいろいろ分かるのか、という驚きがありました。属性と購買データを掛け合わせることで、購入者のことをここまで把握できるとは思っていませんでした。」
藤城氏:
「PLUSカルピス®を購入した方の中には、飲料に関連する商品をたくさん買っているわけではなく、コスメを多く買っている方や、PLUSカルピス®だけを購入している方など、多様な購買行動を持つお客様が確認出来ました。」
今回、会員購入者の中から購入パターン別に顧客カルテを作成し、過去1年間の購買行動を分析しました。
分析からは、疲労回復・滋養強壮関連の商品を買う人だけでなく、化粧品や日用品の購入が中心の人、直近1年間ではPLUSカルピス®しか購入していない人など、多様な顧客像が見えてきました。
さらに、「睡眠・腸活ケア」をリピートする人や、「免疫サポート」を複数回まとめ買いする人も確認され、ID-POSによって「誰が買ったか」だけでなく「どのように買ったか」まで把握できました。
Ⅴ.LXIOの価値
「1商品に対してここまで深く分析するのは初めてだった」
——今回の取り組みを通して、LXIOにどのような価値を感じましたか。

佐藤氏:
「施策中の視聴率の調査や、分析時の顧客カルテなど、1つの商品に対してここまで詳細な分析を頂いた取組は、当社としても非常に新鮮でした。
商品の認知が課題であること自体は変わりませんが、認知を獲得してトライアルにつなげていくために、商品の『健康をサポートする機能』を訴求する方向性が間違っていなかったことが分かったのは大きかったです。」
藤城氏:
「PLUSカルピス®は、次にどう伸ばしていくかというところで行き詰まっていた部分がありました。今回、トモズ様において、トライアルを獲得するための勝ち筋が分かったことに価値を感じています。」
「薬局という場で、商品の健康に関する機能価値をきちんと伝えることでトライアルにつながる可能性がある」という、次のマーケティングにつながる仮説を検証できたことが大きな成果でした。
分析データが、営業・商談の新しい材料にもなる
藤城氏:
「営業シーンでも使えるデータだと感じました。バイヤーとの会話はどうしても販売ボリュームが中心になりがちです。
一方で、PLUSカルピス®のような育成段階の商品では、これからどう伸ばせるかという可能性を話し合う必要があります。サイネージ広告放映後に販売が伸びたことや、店舗によって販売数に違いがあることなど、次の示唆がある分析結果は商談における新たな提案材料として活用できると感じています。」
店舗差や購入者属性、広告放映前後の変化。
こうしたデータが揃うことで、単なる実績報告ではなく、商品の今後の可能性を小売企業と議論する材料としても活用できます。
Ⅵ.今後の展望
次に検証したいのは、「なぜ買ったのか」と「どうリピートにつなげるか」
——今回の結果を踏まえて、次に試してみたいことを教えてください。
佐藤氏:
「今回はトライアル獲得を目的とした施策でした。そこで一定の効果が見えたので、次はリピートや継続飲用にどうつなげていくかが課題だと思っています。
また、実際に商品の健康に関する機能価値に魅力を感じて購入していただいたのかなど、購入に至った背景や気持ちについても、さらに知りたいですね。
加えて、秋冬のように免疫への関心が高まる時期には、季節に合わせた訴求も試してみたいと考えています。」
藤城氏:
「競合の商品を購入しているお客様が、どのような理由でPLUSカルピス®を購入したのかは知りたいです。競合商品との比較観点を把握できれば、次の施策につながると思います。」
次回以降は、購入者やリピーターを対象としたアンケートやインタビューなどを通じて、定量データだけでは見えない購入者のインサイトを深掘りする余地があります。また、こうしたアンケート設計やインタビューの実施についても、LXIOで一気通貫で実施できるため、今回のような購買データ分析と組み合わせることで、より立体的に「なぜ買われたのか」まで明らかにしていくことが可能です。
機能性商品の「トライアルの勝ち筋」を見つけるために
——最後に、どのような商品を持つ企業にLXIOの取り組みをおすすめできると思いますか。
佐藤氏:
「PLUSカルピス®のように、商品の健康に関する機能価値の認知に課題を持っていて、その価値をきちんと訴求することでトライアルにつなげていきたい商品には有効だと思います。」
藤城氏:
「機能性があり、育成段階の商品を持つ企業におすすめできると思います。」
健康に何らかの課題を抱えている生活者との接点で、商品の健康をサポートする機能を伝える。
そして購買データを用いて、その結果を「売れた・売れなかった」で終わらせず、顧客像や次の施策まで深掘りする。
今回のPLUSカルピス®の取り組みでは、調剤薬局という生活者接点とデータ分析を掛け合わせることで、これまで見えていなかった顧客像と、トライアル獲得に向けた一つの勝ち筋が見えてきました。
次のテーマは、「なぜ買ったのか」という購買理由の深掘りと、獲得したトライアルをどのようにリピートへとつなげるか。
購入者のインサイトや季節性も含め、PLUSカルピス®の新しい可能性を探る取り組みは続いていきます。
